職場のエンジニアが嫌われている。
僕の部署には、ハードウェア/ソフトウェアなどの数十人のエンジニアがいるが、能力の高いエンジニアほど嫌われる傾向が強いみたいだ。
嫌う相手は決まって現場サイドの人間。
僕は、職場にそのような雰囲気があるのが嫌だ。原因と対策が急務と感じる。
なぜ彼らは嫌われてしまったのか:考察してみる
そもそも会社にはエンジニアがなぜ居るのか。
僕の会社でのエンジニアの存在意義は「社内改善」だ。システム等の内製化で生産性を上げようという経営方針によって開発部門が在る。
開発部門の成果は、そのまま現場に導入される。つまりエンジニアが働けば働くほど、現場は様変わりして行くわけだ。どうもこの変化のスピードに現場が付いていけない節がある。
論理 vs 直感
エンジニアは基本的に論理的に仕事を進める。たいていの場合はそれで正しいし、成果も確実に出る。
しかし、エンジニアが作ったシステムを使う現場の人間は、直感(感覚)を大事にしている。”自分がどう感じるか”が判断基準であり、現状に不満を感じていたとしても、新しいことを覚えることには後ろ向きのようだ。
このように「論理 対 直感」の構図ができてしまっている。
双方言っていることは平行線だし、現場サイドも「エンジニアの作ってくるもので生産性は上がるし楽になる」ことは頭では理解してるために、その気持ちのやり場にモヤモヤしている。
できるエンジニアほど現場を置き去りに
できるエンジニアほど、「プログラムや設計でできること」がはっきりわかるので、現場への要求もシビアだ。「ここまではシステムでできるけど、細かい部分の調整は現場でルール決めて運用してね」という具合。
もっともなのだが、現場の人間は、どうもエンジニアに言われるとムっとくるらしい。「私たちが使うものを、現場を知らない人が作って”はいどうぞ”は無いだろう」という気持ちがあるのかな?と想像する。。。違うのかな。
いずれにせよ、エンジニアも現場への対応が(人の気持ちを汲み取る部分で)下手だし、現場も自己表現が下手だ。頭の良い人とたかっても論破されるに違いない、という先入観が不満を溜める原因になっているのかな。
どうもコミュニケーションの問題で、ことが大きくなっているようだ。
この状況を打破できる人物とは
コミュニケーションの問題であるならば、この事態を打破できるのは、中間の立場の人間だ。現場同士の話し合いで平行線なら、その線を近づけ、双方納得の上で進める円滑材的な人間だ。
通常これらは上司の役割だが、上司はエンジニアリングと、現場の作業、そしてコミュニケーション能力に長けていなければ、どちらかの肩を持ってしまうことになる。
”エンジニアと一般従業員、どちらが必要か”という視点に立つと、事態は悪化する。コミュニケーションの問題において、どちらかが一方的に悪いというケースはほとんどない。中間に立つ人間は大変だけど、これをやってこそマネージャだと思う。
基本的に会社としてはエンジニアの成果物を導入していきたい方向なので、導入に向けて、現場をなだめることになるだろう。現場の作業者だって「納得感」があれば、文句は言っても協力してくれるはず。最終的に自分が楽になるためのものなのだから。
マネージャの役割
部下をコントロールしたり、人間同士を取り持ったりするのはマネージャーと言われるポジションの人間だ。役職でいえば課長や部長になるのかな。
そのような立場の人は、これからさらに重責を担うことになる気がする。年功序列で、能力もないのに上がっていった部課長など、現場で起きているコミュニケーションの問題など解決できないだろうと思う。
AIで代替されにくい職種としてマネージャがよく上げられるが、結局はコミュニケーションが長けていないと、管理職を人がやる意味がなくなってしまう。
マネージャとしての能力向上に投資できる会社が、生き残っていくのかな。
仕事とは、やはり人間関係
今回はエンジニアの論理的な思考や行動が起こす社内の不和について考察してみたけど、結局は仕事とは人間関係なのだと思った。
どんなに理詰めで説明しようとも、他人の感情を拾おうとする気持ちがあれば、相手の納得は生めるだろうし、そのように相手の気持ちを量ってくれる人なら、無理を言われてもやってあげようと思う。
会社では、人間関係が上手に醸成されていれば、起きない問題ばかりだ。たまたまエンジニアと現場サイドではこのいざこざが多いが、職種や組織を超えても同じ問題はある。
個人的には、エンジニアは必須だと思う。働き方を大きく変える可能性があるのはエンジニアリングだし、実際に成果が大きいのも開発された成果物だ。
ここに「働く人たちの心」も乗っかってくれば、人間関係の面でもモメることなくプロジェクトが進む気がする。
自分で言ってみて「理想」だとも思うけど、この理想に近づいていかなきゃ働きにくくて仕方がない。なまじエンジニアの気持ちも、現場の気持ちもわかるので、この立場を利用して、もっと円滑な仕事の回し方を検討していきたいな。
さいごに
社員同士でケンカして良くなる現場もあると思うが、個人的には、ケンカは必要ないと思ってる。
どんな場合においても冷静さを欠いたら負けだし、論点がブレてしまう。当人だけで解決しようとせず、会社の課題、そして「みんなが幸せ」というゴールに向かって動ける、そんな組織に慣れるといいな。
きっと「いい会社」だよね。そんな会社。
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