【必須スキル】製造業のIoTエンジニアに必要な技術・知識まとめ

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私は中小製造業にてIoTエンジニアという立場を目指しています。IoTに関するあらゆることを理解しているわけではありませんが、日々製造業のIoT化にかかわるなかで、IoTエンジニアに必要な技術・知識というものが見えてきました。

これから製造業のIoTエンジニアを目指される方の参考になれば幸いです。

目次

製造業のIoTエンジニアに必要な技術・知識とは

製造業IoTに必要な技術・知識

  • パソコンに関する総合的な知識
  • ネットワーク構築技術
  • セキュリティに関する知識
  • サーバー運用技術
  • プログラミング技術
  • 電気・電子回路の知識
  • 統計・分析の知識
  • 改善の知識

私の考える製造業IoTエンジニアに必要な技術・知識は以上です。特に中小の製造業においては、IoT担当者が1名というケースもあります。IoTに関するあらゆる技術・知識を網羅的に習得している必要がありますし、加えて製造技術・改善知識なども求められるでしょう。「IoTで得たデータをどうやって活かすか」といった提案の部分まで頭を回さなければなりません。

各項目を詳しく見て聞きましょう。

1.パソコンに関する総合的な知識

IoTシステムを構築するにあたり、パソコンの総合的な知識は必要不可欠です。製造業の現場ではWindowsパソコンが主流です。Windowsに関する知識無くして、IoTの運用はままならないでしょう。

「Word・Excelが使える」レベル以上に、Windowsのトラブルに対処できる知識が必要になります。IoTシステムを内製する場合、トラブル→改善の繰り返しとなります。このときにいかにスムーズ・スマートに対処できるかが、IoT化のスピードに直結します。

IoTに関わらず、社内業務で「Windowsで困ったらあの人に聞こう」と思われるくらいの総合的な知識は得ておきたいところです。

パソコンのトラブルは大抵ネットで調べると答えが分かります。トラブルに見舞われたら自分で調べ、自分で解決する癖をつけておくと、パソコンに関する総合的な知識は必然的にあがります。わざわざ本を買って勉強する必要はありません。

2.ネットワーク構築技術

「IoT = モノをネットワークに繋いでデータを得ること」ですのでネットワークに関する技術・知識は必須です。

社内のみのIoTネットワーク構築にはLANやBluetoothといった通信技術が用いられますが、「設備の稼働データを外出先からも見たい」となると、データをインターネット上のサーバに上げる必要があります。

データをインターネットに上げる通信として、最近ではLPWA(Low Power Wide Area)と言われる無線技術の導入例が増えています。LPWAは低消費電力・広範囲が特徴であり、無線速度は低速なものの、月額が安く抑えられるため人気です。

社の状況に応じて、こういった無線に関する知識も必要になります。

3.セキュリティに関する知識

ネットワークを構築する際に、セキュリティについても同時に考えていく必要があります。IoTはセンサーから設備の稼働状況を吸い上げるだけでなく、設備を遠隔操作するようなことも可能になります。そこまでできて、初めて自動化ができるわけです。

ただ、インターネット経由で会社の設備をコントロールできるとなると、リスクも大きくなります。だれでも外部から設備を操作できるような状態にしておくと、悪意のある者からの攻撃で設備が乗っ取られる危険があります。「セキュリティ対策していませんでした」では済まない時代になっています。ネットワーク構築=セキュリティ確保と考え、最低限のセキュリティ知識は有しておく必要があります。

bluetoothなどは特にセキュリティに弱いと言われています。IoT通信でどんな種類の無線を使うかといった選定知識も必要です。

4.サーバー運用技術

IoTで設備から取得したデータは通常サーバに蓄積します。予防保全などを考えている場合、データは「蓄積→解析」という流れが一般的です。IoTデバイスにハードディスクやメモリを繋いで、データが収集出来たら取り出してパソコンで解析・・・なんて時代遅れな構想をしていては無駄が多すぎます。

設備に取り付けたIoTデバイスは、設備のデータを無線で社内のデータサーバに送ります。サーバのデータベースに蓄積されたデータを、ソフトウェアで解析し、Webブラウザやアプリで表示するというのが一般的なIoTシステムの全体像です。

ひとくちにサーバといってもIoTエンジニアに必要なサーバのスキルは以下のものがあります。

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  • データベースサーバ
  • Webサーバ
  • SSHサーバ
  • FTPサーバ

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必ずしも上記すべてが必要というわけではありませんが、最低限データベースサーバとSSHサーバを構築するスキルは必要になります。またサーバを構築・運用する上で不可欠なのが「Linux」に関する知識です。サーバはLinuxというOSで構築することが多いので、必然的にLinuxによるコマンド操作がわからないと、構築・運用がままならないという状態になります。

Linuxサーバの運用は非常に奥が深い深海のような世界ですが、今後ますます必要とされる技術です。こつこつ学習するしかありませんが、学習環境はととのっていますので、できるだけ早く始めましょう。

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5.プログラミング技術

プログラミング技術は、以下の状況で必要になります。

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  • IoTデバイスからデータの取得
  • 取得データをデータベースに蓄積
  • データベース内のデータを分析・表示

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これらの操作は概ねひとつのプログラミング言語で実現できます。それはPython(パイソン)という言語です。たとえばIoTデバイスにRaspberry Piのような安価なデバイスを考える場合、Pythonは標準言語として利用できます。Pythonの良いところは”モジュール”という機能をまとめたプラグインが多いことです。IoTのGPIOとの通信を簡単にするモジュール、データベースとのやりとりを簡単にするモジュール、データを分析するモジュールなどなど。個人的にはプログラミング初学者に最適な言語がPythonだと思っています。

[st-card id=60 label=”おすすめ” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]

また、データの可視化(表示)に関しても、Pythonは得意です。FlaskやDjangoといった無料のwebフレームワークを使えば、設備の稼働データをWeb画面に表示することができます。

いわゆるダッシュボードと言われる画面をPythonで作成できるんですね。ただ、相当プログラミング技術が必要になります。

ダッシュボード画面

YoutubeやInstagramの開発言語にPythonが使われていることも有名です。得意不得意はあれど、できないことが無い言語という印象です。

[st-cmemo fontawesome=”fa-file-text-o” iconcolor=”#919191″ bgcolor=”#fafafa” color=”#000000″ iconsize=”100″]*データベースの操作にはPythonの他にSQLという言語、データをWebで可視化するならHTML、CSSというマークアップ言語の習得が必要になります。[/st-cmemo]

6.電気・電子回路の知識

IoTデバイスとセンサーを接続する際に電子・電気系の知識が不可欠です。センサーは繋がっていれば良いというものではありません。アナログ出力なのか、デジタル出力なのか、電源は何V必要か、外部のドライバが必要か、といった様々な要因を総合的に判断できなくてはなりません。

電気回路や電子部品の特性を理解していないと、接続したセンサーを壊してしまうことになります。センサーが怖るくらいなら良いですが、最悪、部品が爆発してケガをする危険すらあります。

7.統計・分析の知識

IoTで集まったデータを分析するスキルが必要です。上記のように分析をPythonでする場合は、どんなモジュールを使い、どんな結果を出力するのかといった知識が必要です。

ただしくデータ分析ができないと、設備の稼働状況から、本質的な問題点が見出せません。IoTを生産性UPに活かすには、可視化したデータからいかにボトルネックを抽出するか、がカギになります。

8.改善の知識

データの分析ができ、問題点がわかりました。次にやることは「改善」です。ここはAIにはできない人間だけがアイデアを出せる分野です。どんな改善手法があるのかを学ぶことももちろん、現代の製造業のトレンドを知るために、展示会等で最新情報を常に入手する努力が必要です。

自分で得た知識、自分の目で見たものしかアイデアには活かせません。知識のボトムアップは日々考えたいテーマですね。

加えてコミュニケーション能力も大切になる

IoTに限らず、仕事をすすめるうえでコミュニケーション能力は不可欠です。特に業務のデジタル化という大きな変革を推進していく担当者ならば、あらゆる部門とスムーズに連携を取っていく必要があります。

関係者全員を巻き込む力ですね。これが無いと「IoTなんて一部の部門がすすめている、なんだかわからないもの」という認識でなかなか協力してもらえません。データを取るところまではIoTエンジニアができても、その先の改善は全社一丸ですすめる必要があります。

IoTはなんだかわからなくても「俺も一緒に取り組んだんだ!」と現場作業者に思ってもらうことが大切です。そのためには、常に「現場の困りごとを解決するシステムなんですよ」とうことを、真摯に説明して協力を仰ぐことです。こと製造業においてはIoT化はエンジニアだけがすすめるものではありません。

まとめ

製造業におけるIoTエンジニアの役割と必要な技術・知識の概要はおわかりいただけましたか?とくに中小の製造業ともなると人材不足に拍車がかかっています。IoT担当者がひとりだけ、なんてケースもざらです。

そうなると、上記で上げたすべての技術・知識に加え、プロジェクトをまとめる能力やコミュニケーション脳力まで問われます。どれも一朝一夕に養えるものではありませんが、IoTエンジニアとしてどのような成長していくべきかの過程を見極めましょう!

私も志半ばですが、日々精進しております。

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