製造業でのメインPCはWindows機です。開発時も最終使用環境を考えてWindows PCを選択しましょう。私が会社で現場の製品検査用プログラムをPythonで作製する際に用意したPCのスペックを紹介します。
Windowsアプリというとメインの言語はC#やVBですが、私は言語を色々またぎたくないこともありPythonで書いています。PythonはGUIが苦手と言われていますが、PyQtなどのGUIライブラリを使えばC#・VB並みのデスクトップアプリを作ることができます。
製造業の現場で使うアプリ・ソフトウェアってどんなもの?
製造の現場では、主にWindowsパソコンが製品検査に使われています。プログラムから制御系のボード(I/O)に指令を送り、製品検査を自動で実施するような検査パソコンがメインかと思います。
また、ペーパーレスの進んでいるような企業では、チェックシートを紙ではなくエクセル等に直接入力している現場もあるでしょう。
そして今後は、AIなどを用いて画像判定をパソコンにやらせようという風潮があります。人間が行う目視検査の代替ですね。特にAIの分野は発展が目覚ましく、これまでは画像を判定するのに人間が「どの座標のどの部品を見る」「許容差はどれくらい」などのパラメータの入力をしていました。この部分をAIによりパターンを学習させて、人間が考えるのと同じように、画像から自分で判断させようというシステムが構築されつつあります。
このような画像判定システムを、自社で作る製造メーカーも少しずつ現れています。私の会社でも他部門で、AI画像判定システムを自社開発しています。小さな会社でもこういったことが出来るのは、AI技術がオープン化されているおかげですね。
製造業アプリにおけるPythonプログラミング用PCの必要スペック
Pythonを扱うには、IDE(統合開発環境)というソフトを使います。このIDEはあまり低スペックだと動作が重く、開発スピードに影響が出てしまいます。また低速パソコンはイライラしますので、精神的にも良くないですね。
私が製造業で使うPython開発用のパソコンスペックは以下の通りです。メモリやビデオカードの増設等、後のメンテナンスを考えるとデスクトップ型のパソコンが良いでしょう。
必要スペック
- Windows:10 pro
- CPU:Core i5 第7世代以上
- メモリ:8GB以上
- SSD+HDD:256GB+2TB
企業用のWindowsではproバージョンを選択した方が良いでしょう。例えば、グループ会社で同じセキュリティソフトを入れるような場合に、遠隔監視などの機能がproバージョンにしかなく、HOMEでは機能提供を受けれられないケースがありますので注意が必要です。
また、AIに取り組むならビデオカードは必須です。AIのディープラーニングという分野で使われるビデオカードはNVIDIAがNo.1です。理由は安くて速いからです。
総じて考えると、ゲーミングパソコンといわれるパソコンゲーム用に開発されたパソコンが、スペック的にはマッチします。パソコンゲームは処理能力と耐久性を要求しますので、このシステムがそのままプログラミングパソコンに転用できるんですね。
Lenovo(旧IBM)はエンジニアに好まれているパソコンメーカーです。エンジニアライクな武骨なデザイン、そして堅牢さゆえ長く愛されているブランドです。Lenovoのノートパソコンは、バッテリー交換が容易な作りになっているものが多く、バッテリーを交換しても同じPCを長く使いたい現場主義のエンジニアに好まれています。
製造業アプリにおけるPythonプログラミング用PCの予算
デスクトップPCで予算12万円は下回らない方が賢明です。(モニタは含まず)
現状の最新・超高性能モデルを購入する必要はありません。しかしながら、プログラムという処理を考えた時に、やはりスペック不足で動作に時間がかかるケースは避けたいですね。プロが使う道具ですので、このあたりはケチケチせず、プルグラミングに耐えうる程度の高性能パソコンを用意したいところです。
メモリやハードディスクなどは足りなくなった時に増設すれば良い、という考え方もあります。適性なメモリ(相性問題の出ない)を自身で選べ、且つ増設ができる方ならそれでも良いでしょう。しかし、その手間やリスクを考えると、メーカーで必要なものをすべて搭載したパソコンを保証付きで用意したいと思うのです。
パソコンも、次々に新しい技術・新しいモデルが発売され、買い時が分かりません。安くなった時に買おうとして、プログラミング学習や開発の機会を遅らせるより、早く購入して快適な環境で開発を始めた方が生産的であることは言うまでもありません。
必要な時に必要なものを揃えたいですね。
さいごに
いざ開発を始めるというときに、パソコンのスペック選びは難しいものです。通常の業務用とと違って、プログラミングは専門的な分野です。プログラミング専用パソコンというモデルがあれば一番良いのですが、各メーカーでそういったモデルはリリースしていません。
私自身も、会社で色んなメーカーを比較・調査しながらゲーミングパソコンが自分の希望するスペックを満たしていることを突き止め、購入しています。上司に上申する際は「ゲーミング」というフレーズに眉を顰(ひそ)められましたが、開発に必要だ!という熱意でOKをもらいました。
オーバースペックのパソコンは必要ありませんが、自分が希望する性能の少し上くらいを見ておくと、今後何年も使っていけると考えています。
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