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教育用多軸ロボットは格安だけど精度が悪い。子ども達はそれで良いのかな

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製造業へのロボット導入が加速しています。私の勤める小規模な製造会社でも、接着工程を自動化しようと教育用に販売されている安価なロボットの導入を試みました。

結果は「精度が悪くて使えない」ということになりました。皆、「教育用なんだから精度が出なくてもしょうがないよね」といいますが、ふと疑問に思ってしまいました。

教育用多軸ロボットは格安だけど精度が悪い。本当にそれで良いのかな

教育機関向けに作られた多軸ロボットは、安いものでは10万円程度で購入できます。4軸の業務用ロボットが1000万円した時代から考えれば、破格のお値段。今でこそ、製造業向けのロボットは300万円程度で導入できますが、それでも「ロボットは高い!」という印象です。

私の部署で導入を検討し、実際に購入した「Dobot Magician」は中国のスタートアップ企業製。15万円程度~買えるとあって、2018年にちょっと注目を集めた多軸のロボットです。

ハンド・吸着・3Dプリントなど、「とにかくチャンレジしてみたい」という需要には概ね応えられる内容となっており、飛びつきました。

当時苦労したのが、日本語マニュアルがない事。ソフトウェアも基本英語で、操作を覚えるのに随分悩みました。現在では公式の日本語フォーラムも開かれ、Dobotの導入障壁も随分下がったのではないでしょうか。

こういった格安のロボットに精度が無いのは、部品構成から見ても当然です。精度が出ないモータや、チープな素材構成になっているためです。価格を抑えるために、そうならざるを得ないのでしょう。私は、それが悪いとは思いません。実際に「この価格ならロボットを1台購入して、研究してみよう」と思えるからです。技術者なら、Dobotのコストダウンへの努力は並々ならぬものであったことは容易に想像できます。

Dobotにやらせたかったこと

私がDobotにやらせたかった作業は、接着剤の塗布です。固定された製品の特定の場所にエアーディスペンサを装着したノズルで接着剤を塗布させる作業でした。Dobotでは繰り返し精度が保てず、現場には導入できないと判断しました。問題は精度だけでした。

「教育向けロボットを製造現場に使う事がそもそも間違い」との意見を頂戴しながらも、やってみないとわからない!との精神で取り組んだ格安ロボットの導入でしたが、あえなくお蔵入りとなりました。ただ、経験だけは大きな糧となりました。

やはり教育向けロボットは教育向けだな、、、と感じると共に、教育向けだからといって精度が出ないことに子ども達は不満を感じないのかな?とも思いました。

子どもたちは精度を気にするのかな?

製造現場で精度が出ないロボットは使い物になりません。これは購入してみて初めてわかりました。「教育機関向け製品」を無理やり製造現場に持ち込もうとしたので、当然の結果だったのかもしれません。

しかし、これを子どもたちがロボット教育の一環として授業やセミナーで使用することを考えると、精度が出ない事でどんな影響があるんだろう?とふと考えてしまいました。

これらの精度が出ないロボットを使って授業をする講師はどのように教えるのでしょう?「このロボットは教育用ですので、細かい動きはできません。もっと高いロボットなら思ったような動きをさせられますよ」などと教えるのでしょうか?

子どもたちはそれで満足するのでしょうか?

子どもの好奇心は「もっとすごいことができるのなら見せて欲しい!やってみたい!!」となるのではないでしょうか。我が子の好奇心を見ていると、そんな気がしてなりません。

ただ、がむしゃらに扱って壊しても良いから「触れる・構造を知る」ことも大切という思いもあります。そのあたりのコストバランスをどうとっていくのかは、ロボット開発者は皆、頭を悩ませているところでしょうね。

子どもだから品質や精度はある程度でいいや

壊しちゃうかもしれないし、、、子どもに与えるものは品質や精度はそこそこでいいや。この考え方は私にもあります。しかし、同時に「がっかりしてほしくないな」という思いもあります。

子どもは環境次第でどれだけでも伸びます。興味がある分野を伸ばしてあげたいと思うのが親の心情でしょう。そこで精度が低いものを扱って、その興味を押さえてしまったり奪ってしまうのは誰も本意ではありません。

最初のタイミングというのは非常に大切です。私は、「こんなすごいことができる!」という感動が、人生の選択肢を広げると思っています。それゆえ、教育向けだからという理由で精度が出ないロボットが重宝されている状況に疑問を感じたのでした。

しかし、この問題は近いうちに解決すると見ています。

ロボット分野の研究開発はものすごい速度で進んでいます。産業用ロボット並みの精度を誇るロボットが、家庭向け・教育向けに格安で市販される未来も近いでしょう。ロボット展示会などにいくと、それを強く感じるのです。

ものづくりメディアのfabcrossによると、繰り返し精度0.05mmの4軸ロボットが10万円以下でクラウドファンディングされています。今後、高精度且つ低価格のロボットの開発は加速するでしょう。教育用だからとか、低価格だから精度が悪いという状況もなくなってくるんでしょうね。

こういう分野で日々、研究開発されている技術者には本当に頭が下がりますね。実際の開発者・研究者の方にお会いする機会はないのですが、会ってお礼を言いいたいです。あなたたちがいるから製造業の未来は明るいんだ、ありがとう。

さいごに

  • 子どもこそ、高精度の製品を使わせてあげたい
  • 壊すかもしれないから、できるだけ安いものがいい
  • 教育用ロボットは現段階では製造現場には不向き

今回、教育向けロボットに実際に触れてみて、上記のような思いが交差する結果となりました。私の偏った考え方だけでは、教育向けロボットの意義を理解することはできません。あなたの教育向けロボットに関するご意見をお聞かせいただければ幸いです。

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中小企業エンジニアです。35歳で急遽プログラミングを覚えることになり、PythonやJavaScriptなどをゆっくりマイペースに覚えています。先端スキルには疎いですが、楽しくコーディングしてます♪最近の興味は【WEB開発】です

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