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【書評】「IoTエンジニア養成読本」を読んでみた。おすすめです

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IoTエンジニア、という言葉があります。IoTを専門とする技術者のことです。IoTはシステム・技術的に、2019年の現在においても黎明期と言えるでしょう。特に無線の規格に関しては選択肢が複数あること、IoTデバイスも「これ!」といったファーストチョイスが無い現状があります。

私は製造業でIoTを担当する立場から、様々なIoT本を読んでいます。そのなかでIoTエンジニアと題した本は少ないながらも数冊あり、今回紹介の「IoTエンジニア養成読本」を気にされている方も多いと思い、書評として残すことにしました。参考にしていただければ幸いです。

「IoTエンジニア養成読本」を読んでみた

こんな方におすすめ

  • IoTとは何かを知りたい方
  • IoTシステムの全体像を知りたい方
  • IoT化の流れを知りたい方
  • IoTの活用事例を知りたい方
  • IoTで取得したデータの処理系統を知りたい方
  • IoTで使われる無線種類を知りたい方
  • IoTセキュリティを知りたい方

2017年発売の当書籍ですが、IoTを取り巻く状況は2017年当初とそう変わりはありません。当著はIoTの全体像を学ぶために、かなり網羅的な内容にまとめられています。IoTデバイスの設計といった部分はありませんが、IoT技術を使って何ができるのかといったこと、IoTにおいて気を付けなければならないことがよくわかります。

これからIoTに取り組む担当者には非常に興味深く読むことができるでしょう。下記で詳細内容を解説します。

IoTとは何か

「IoTとは何か」

今更かもしれませんが、もしあなたがIoTを「モノがインターネットにつなぐこと」という理解であれば、この章をしっかり理解した方が良いでしょう。インターネット繋がっていなくとも、センサーから情報を取得するネットワークならばIoTである、と理解できるでしょう。

基本中の基本ですので、今一度理解を深めましょう。

IoTシステムの全体像

IoTでどのようにセンサーデータを取得し、どのようにサーバやクラウドにデータを上げていくのか、といったことが詳しく述べられています。IoTの全体像が見えていないと、システム全体の設計ができません。IoTシステムには、センサー、ネットワーク、データベース、セキュリティといった不随技術がかならず必要になってきます。

またこの章ではIoTデバイスの選定ガイドも記載されています、これからIoTデバイスを選定する際に役立つでしょう。

IoTエンジニアにどんな技術が必要であるかも、本書を通して見えてきます。下記記事と併せて「IoTエンジニアに必須のスキル」を確認してください。

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IoT化の流れ

IoTは「設備の稼働状況をセンサーで取得して終わり」ではありません。データ取得は一番最初のステップ「可視化」になります。可視化をしてからが本当の効率化であり、生産性の向上に結び付く改善になります。そしてその中で得た知見をビジネスに結び付ける流れまで記されています。

当著では、IoTシステムをどのように育てていくかを「IoTの成熟モデル」として以下のように表しています。

  1. モニタリング/可視化
  2. 制御
  3. 自動化
  4. 最適化
  5. 自律性

引用:IOTエンジニア養成読本

IoTの活用事例

IoTを上手く取り入れた活用事例としていくつか紹介されています。中でも日本の重機メーカー:コマツ社のIoTソリューションは世界的にも注目された好事例です。

コマツの重機に取り付けられたセンサーにより、オイル・エレメントの交換時期、GPSを使った車両の位置情報、稼働時間や燃料の残量といった情報を取得し、建設機械の管理に役立てています。

これらの情報が生産性アップに大きく貢献したことは言うまでもありません。

IoTで取得したデータの処理系統

センサーから取得したデータは、直接データベースに送信する方法もありますが、データ量が増えてくると通信網・通信料ともに圧迫します、そこで、IoTデバイスやクラウド上でデータを処理する方法があることが紹介されています。(エッジコンピューティング)

よほど大きなシステムを組まなければ、エッジコンピューティングが必要になるケースはないかもしれません。しかし、IoTエンジニアとしては、処理系統にどんな選択肢があるのかは理解しておいた方が良いでしょう。

IoTで使われる無線種類

IoTで使われる無線は、必ずしも高速で無くても良い場合があります。速度よりも、電波強度や距離、そして通信費が重要視されています。低速ながらも距離が長い無線種類も、ここ数年で一気に増えました。

乱立する無線規格ですが、とくにIoTに有効な無線の種類が紹介されています。製造業の工場内のIoT化ではWifiが使われることが多いですが、IoTの農耕利用や、センサー情報を直接クラウドに上げる場合などは、LPWAといった無線の選択となるでしょう。

無線規格は、IoTエンジニアとして覚えておいて間違いのない分野です。

IoTセキュリティ

IoT化とセキュリティはセットで考えなくてはなりません。IoTデバイスのセキュリティは非常にもろく、DDos攻撃の踏み台とされるケースが多発し、世界的に問題になっています。

DDoSとは、ネットワークを通じた攻撃手法の一種で、標的となるコンピュータに対して複数のマシンから大量の処理負荷を与えることでサービスを機能停止状態へ追い込む手法のことである。

引用:weblio

「セキュリティに関しては知りませんでした」では済まない時代になっています。放置しておくと犯罪に加担する可能性があるからです。攻撃に使われなくとも、個人情報や企業情報を盗まれたり、設備を遠隔操作されたり、破壊されたりする恐れがあります。

可能性がある、というよりは必ず攻撃されると考えた方が良いでしょう。それだけIoT機器のセキュリティは脆いということです。

政府2019年1月に発表した「IoT機器の無差別調査」は波紋を呼びました。しかし、政府が本腰を入れて動き出すほど、IoT機器のセキュリティ状況は芳しくないということです。IoT分野だけではなく、IT関連のセキュリティが現状どのような状態にあるのかは、一度把握しておく必要があるでしょう。

下記の書籍がおすすめです。日本・世界で起こっているセキュリティ事故、そしてその対策方法が分かります。

さいごに

IoTはその言葉だけが先行し、実際に何ができて、どんなシステム・技術が必要で、何に気を付けるべきか」の議論が進んでません。特に、製造業ではIoT、AI、ロボットがブームです。

なんだかわからないけど取り入れろ!なんて指示を出しているようでは、IoTで本来出せるはずであった効果も数パーセント止まりでしょう。IoTは本質とシステムの全体像を理解したうえで取り組まなければ、必ず失敗します。

他社の成功例もよくよく観察し、良書を参考にしながら身の丈に合ったIoTを目指したいものです。

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中小企業エンジニアです。35歳で急遽プログラミングを覚えることになり、PythonやJavaScriptなどをゆっくりマイペースに覚えています。先端スキルには疎いですが、楽しくコーディングしてます♪最近の興味は【WEB開発】です

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