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【課題】中小の製造業IoT化・デジタル化 こんな方法では失敗する

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IoT化、ロボット化、AI化、そんな言葉を聞かない日はありません。私は、IoTは日本の製造業を救うと信じていますが、やり方いかんでは失敗するとも考えています。

IoTやデジタル化(ペーパーレス化など)は、手順やあるべき姿が見えてこそ、確かな成果が得られるものと考えています。しかしながら、中小の製造現場ではどうでしょう。ただただトップダウンで「やれIoTだ、やれペーパーレス化だ」となっていないでしょうか。

中小製造業の大きな課題と期待 こんなIoT化・デジタル化は失敗する

中小企業に関わらず、IoTやペーパーレスなどのデジタル化には手順があります。これはしっかり事前に学んでおかないと、「さぁペーパーレスできた、バンザーイ」で終わってしまい、成果が見えてきません。ただのパフォーマンスになってしまうんですね。

私の考える「こんなIoT化、デジタル化は失敗するだろう」という例を危険度ランキングで紹介します。

第3位:IoTソリューションを外注に頼り切り

大企業ならばIoTを専門業者に丸投げして、潤沢な資金でカスタムしてもらえば良いと思います。その方が圧倒的に手間がかかりません。しかし、それを中小の製造業で真似てしまうことが危険だと言いたい。

IoTやデジタル化の人材は社内で育てるべき。プログラムやネットワーク構築を内製化できると、非常に小回りの利くシステムができあがります。この辺りを本当に理解できている社長さんは、自社のエンジニアを育てるべく、しっかり予算取りして来たるべきデジタル時代に備えています。

単に外部のソリューションを取り入れるだけでは、何かあったときにすぐに対応できません。それが生産性を落とし、ついには失注といった事態を招きかねないと危惧するのです。

何を大げさな・・・と思われるかもしれません。しかし、システムは一度導入してしまうと、捨てることは難しいのです。社内にシステム改善の出来るメンバーがいることほど心強いことはないですね。

第2位:IoT・デジタル化の意味を理解させていない

IoTやデジタル化は、作業の変革をもたらすものです。作業のやり方が随分変わることもあるでしょう。これから会社がIoTなどでどんな風に変わっていくのか、なぜそれをやるのかといったことを会社トップから説明がされてない場合、失敗の危険度はグッとあがると考えています。

作業者は、作業が自動化されれば自分の仕事が奪われるのではないかと心配なのです。パソコンに作業させることでミスが無くなり、時間短縮にもなりますよ、としっかり教育・周知の上、社内のデジタル化を進めていかなければなりません。

仮に作業は早くできるようになると、作業者の残業が減り、給料も減ることになります。今の安い給料でこれ以上減らされては困る!と作業者は社内のデジタル化に協力しないでしょう。

トップとしては、「作業効率が進み生産性がアップすれば、みんなの賃金も必ず上げる」と、ここまで説明して機運を高めて欲しいですね。

第1位:あるべき姿が設定されていない

「あるべき姿」、これは本当に大切な指標です。

闇雲に”ブームだから”とIoTやペーパーレスを取り入れると、取り入れた時点で終わってしまいます。IoT、ペーパーレスを取り入れてどんな成果を出すのか。それがあるべき姿です。

基本的にIoTやペーパーレスなどのデジタル化の目的は生産性の向上です。生産性をあげるには、人を増やすか、たくさん働くか、自動化等で作業効率を上げるしかありません。人手不足で働き方改革が叫ばれる今、簡単に増員・長時間勤務はできません。そこで、現状の生産のどこにボトルネックがあるのかを分析するためのツールとして注目されているのがIoTです。

IoTもペーパーレスも手段です。この手段を使ってどんな成果(あるべき姿)を出し、そしてそれをどのように従業員や社会に還元していくのか。ここまでのストーリーができていないと失敗するでしょう。

どんな手順であるべき姿に近づいていくのかは下記で説明します。

製造業のIoT化には手順がある

製造業でIoTをやろう!となったときに、大切なのは段階的に取り組むことです。そしてIoTは手段であるので、IoTで得られた情報をどのように活かすかまで検討し、取り組む必要があります。

-前段-

まず、前段として、IoTで何ができるのかはよく知っておく必要があります。当然できないことも多々あります。基本的にセンサー信号をIoTデバイスで受け取る必要がありますが、どんなセンサーが使えて、どのようなデータを収集できるのかを学習しておきます。

1.現状把握(可視化)

装置の稼働状況をセンサーによって自動で取得します。装置の稼働状況が可視化できると、「思いの外停止時間が多いな」となれば、何が原因で止まっているのか調査するでしょう。工程のどこにボトルネックがあるのか調べるのに可視化が一番なんですね。

また、「いつもよりモータの異音がするから交換しよう」などと起こり得るリスクに対して事前対処できます。予知保全という考え方ですね。

各作業工程を見ていく中で、自動化やデジタル化しなくても改善できることがあれば積極的に実行します。何が何でもIoTで解決しなくてもよいのです。

2.改 善

ここは人間が頭を一番悩ませなければならない場面です。IoTはデータ収集はできますが、どうやってそれを改善したらよいかまでは教えてくれません。

改善は日本の製造業の十八番ですから、ここは現場を含めて知恵を出し合い、ボトルネックをつぶしていきましょう。現代では、人が行っているたいていの作業は自動化できます。何が自動化できるのか、どうやって自動化するのか、を知るためにも各地で行われている展示会には積極的に参加したいですね。

現在の製造業のトレンドがわかります。

3.横展開・商品化

前項までの可視化~改善を繰り返すだけでも随分生産性は上がるでしょう。生産性を改善したい装置があれば、IoTの成功例を横展開すれば、よりスピーディに改善できるでしょう。

また、得られた知見を商品化し、自社の製品として売り出す企業も増えてきました。IoTの内製化は苦労の連続ですから、成功すれば、同じような職種で同じ悩みを抱えている企業にシステムを販売できるんですね。ここまでいけば自社IoTから始まった新たな価値の創生ということになります。大変すばらしいと思います。

製造業のIoTはプロフェッショナルが必要?

製造業のIoTを内製化しようとすると、高い技術を持ったプロフェッショナルが必要です。しかし、中小の製造業にそんな技術を持った人材はなかなか来てくれません。やはり内部から育てるしかないのです。

幸いにもIoTのセミナーや書籍は巷に溢れていますし、勉強する機会さえあれば、かなりやりがいをもって取り組めるテーマです。「来てもらえなければ作ればいい」という考えで、社内にIoTプロフェッショナルを育ててください。会社の強みとなります。

何もわからない状態からIoTを自社で取り組んで成功した例はいくつもあるんですよ!

外部リンク:町工場がIoTで生産業務を大幅に改善。約3億円の設備投資と約1億円の労務費削減

さいごに

製造業のIoT成功例は、探せばいくらでも出てきますが、失敗事例というものはなかなか表に出てきません。そりゃそうですよね、お金かけたけど使えませんでしたなんてものを世間に公表する会社はありません。また、ペーパーレス化してみたけど、実は業務改善になっていない、IoT化したけどデータを有効活用できていないというケースも多いでしょう。

IoTはデータを分析してそこからボトルネックや予知保全をしていかなければ意味がありません。「IoTやデジタル化でどんな成果を出すか」まで考えたシステム設計をしたいものです。

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中小企業エンジニアです。35歳で急遽プログラミングを覚えることになり、PythonやJavaScriptなどをゆっくりマイペースに覚えています。先端スキルには疎いですが、楽しくコーディングしてます♪最近の興味は【WEB開発】です

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