私は絵が描けないしあまり興味もないため、デザイン=何か描かなきゃいけないという先入観があり、勉強を避けてきたのでした。
しかし、たとえば今回のコロナ騒動のように、何らかの社会的影響で会社がつぶれたり、自宅から出られないような状況になったときにも仕事を受託できるスキルが必要だと再認識しています。その点でやはりWEBやITは強いですね。
一番苦手なデザインをやろう!と決めて参考書を探してみました。そして出会ったのが坂本 伸二さんの「デザイン入門教室」という入門者向けのデザイン本。
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「デザイン入門教室」は自分にもデザインできる!と思わせてくれる
2015年発刊の当著。デザインの書籍としては5年前のものであり、購入はすこし不安が。。。デザインという流行が左右される業界に置いて、5年前の書籍を参考にすることに抵抗があったからなんですが、、、
ただ、最近のAmazonは試し読みが出来るためパラパラとめくってみると、最初に出てくる言葉でグッときたのでした。
デザインは、すべての人が必ず上達できます。
デザインに苦手意識を持つ私のような者には、こういった前向きな言葉が本当に背中を押してくれるんです。最初から「難しいですよ~」「専門用語がたくさんですよ~」というオーラを出されてしまうと、もうそれだけで学習意欲が根こそぎ奪われますからね。
私にとっては重要な1フレーズだったので、感動を込めて引用させていただきました。なんか「あなたにも出来る」って言われてるようで救われますよね。
それでは、当著が私のようなデザイン1年生にどんな風に役立つのかまとめてみます。
デザインは「揃えること」から始まる
何を揃えるの?
- 情報を揃える(整理)
- 配置をそろえる
- カラーを揃える
- 書体を揃える
上記のとおり、デザインで重要な「揃える」ということが繰り返し丁寧な図と文章で解説されています。これらは感覚ではなく「ルールがある」ということがわかりやすく説明されています。
読み進めると、紙面全体がその「ルール」で構成されていることも徐々にわかってきます。だから読みやすいんですね。
当著で解説されている内容は「基本」ですので応用的なテクニック、そしてデザインツールの使い方等は出てきませんが、それでも基本ルールだけでこれほどまで成果物が変わるんだ!という衝撃を受けました。
読後は、誰かのチラシやWEBサイトをデザインしてみたい!という欲が出てきます^^
たとえば、デザインする紙面の文章に関しても、下記のようなアドバイスがあると「なるほど」と納得できます。そしてそのルールが丁寧に解説されているので、「この本を読みながら自分のデザインをしてみれば、今の場所から確実にステップアップできるな」と実感できるのです。
普段目にする雑誌や書籍などを違和感なく読み進めていくことができるのは、そこにきちんとしたルールが存在するからです。
引用-Chapter 6「文章のデザイン」
この他にも「情報を伝えやすくするためにアイコン化する」や「文字の加工」、「写真の役割」等ポイントは多数出てきますが、基本的なこと守るだけでも十分「伝わるデザイン」が出来ると感じました。
実例はため息が出る
当著の後半(Chapter8 実践演習)は、紙面デザインの実例です。「デザインがわからない人が作るとこうでしょ?」というNGサンプルの後に、プロが作ったデザインが見られるというBefore → Afterの構成になっており、そのギャップにいちいちため息が出ます(笑)
またこのNGサンプルが、まさに「自分ならやってしまいそうなデザイン」で・・・ドキっとします。これだけ見ても買った甲斐があったなぁ、と。
本当に基礎・基本って大切なんだなと実感できますよ。プロがどのようなデザインルールに則って作り直したのかも詳しく解説されており、著内のどのチャプターで説明したテクニックを使っているのかページ数の記載もあり懇切丁寧です。
まさに「デザインで読者の課題を解決している」と言える内容です。
kindle版が40ページほど試し読みできますので、ぜひ目を通してみてください。
個性的なデザインより、依頼者の課題を解決するデザイン
当著から学んだ一番大きな気付きは「依頼者の課題を解決するデザインであることの重要性」です。
自分の作品作りのためのデザインであれば、センスや個性が必須になりますが、誰かの課題を解決するためのデザインであれば個性・センスは必要ないということがわかりました。
むしろ必要な事は「王道」であり「基本ルール」。これを守らずにデザインから「伝えたいことを的確に伝える」ことはできないんだと学びました。
”揃えること”で見違えるようにデザインはよくなりますし、その揃え方にもルールがある。すべてを覚えられなくても、デザインのたびにこの著を見ればいいのですから、まさに教科書といった立ち位置ですね。「デザイン入門」の文句に偽りなしでした。
私は、デザインを仕事の一部にしたいと思っています。自分の個性を世に出したいのではなく、デザインでお客さん・依頼者の課題を解決したいのです。ルールを知っていれば、その課題解決に一歩近づくことが出来ると知り、大変有意義でした。
個性やセンスが無くてもできる、という部分に置いても本当に勇気づけられましたね。
さいごに
当著を読むと、自分でもデザインができるような気になってしまう不思議な感覚があります。
実際にはそんなことは無いんですが(笑)
プロがどんなルールに基づいてデザインしているのかをつぶさに知ることで、初心者にもデザインが出来る!という気にさせてくれます。そして読み終わった後には必ずデザイン力がアップしているでしょう。1度読んだだけではデザインルールのすべては頭に入りませんが、少なくとも「気を付けるべき箇所がわかる」わけですから、雲泥の差があります。
デザインは、見る人・読む人のためにするものだ、という基本的なことがスッと自分の中に入ってきた良書でした。途中、専門用語が少し出てきてわからない箇所はあるものの、ググれば解決ですのでまったく苦ではありませんでした。
この本に出合えてよかった!さっそくポートフォリオを充実させていこう。